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ストラトキャスターをトレモロレス(ハードテイル)化

1.何でハードテイル化か

ストラトタイプの本体が4台になった。最近ははあんまりアームを使わない。4台が4台ともフロイトローズだと、ちょっとあつ苦しい。後述の事もあってトレモロレスのストラトに改造する事にしました。今回改造したのは私が高校時代に初めて手にした「グレコ」(マツモク?)製の物です。当時はメイプル指板ネックでしたがその後2~3年してチリンチリンする音が嫌いだったのと、大学生になり当時ジェフベックやリッチーブラックモアなど多くのミュージシャンがローズ指板ネックを弾いていたというのもあって、交換しようと考えていた。その矢先に当時、駿河台下にあったESPという楽器工房(店)でこの工房のオリジナルブランドである「ナビゲーター」のローズ指板ネックに出会い交換して10年ほど弾いていました。
その後ピックアップをレースセンサー+アクティブ回路にトレモロユニットをフロイトローズに交換してしばらく家族に貸していました。

その後5~6年して、埃だらけの変わり果てた姿で、私のところに戻ってきました。

ちょっと弾いてみましたが「Tokai」のネックに替えられていてヒールサイズが合っていないのとアクティブ回路が取り外されていてポット類もレースセンサー用の250kΩではなく一般ピックアップ用の500kΩに変わっていてひどい状態でした。

本人に聞いたところライブ時に誰かが何かの拍子に倒してしまいネックが折れたとの事で主催者側が責任を感じて補修したらしい。その時ネック交換だけでなく回路の改変までやってくれたようです。
アクティブ回路無しのレースセンサーも悪くはないですがほんと初期のレースセンサーなので出力がチョット心もとないんです。アクティブサーキットも復活させなくてはと思いつつ、今回まずは「ハードテイル化」してみます。

2.ハードテイル(固いしっぽ) って何?

なんで固いしっぽになったの?

フェンダーのシンクロナイズド・トレモロは1950~1960年代にレオ・フェンダーさんが特許を取得してストラトキャスターに搭載されたらしいですが。その時代にはハードテイル(トレモロレス)ストラトが普通に販売されていたようです。

今ではビンテージとして結構な高値で流通しています。またFender Mexicoですが

「ロバート・クレイ・モデル」や
「ビリー・コーガン・ストラトキャスター」

などが新品で販売されているようですが数は少ないです。例によってWebで検索すると「トレモロレスなら音も似ているしテレキャスを買えばいい」等と書かれている記事が多いんですが、ストラトとテレキャスは外観が違いますしピックアップの数も違います。ということで今回HardTail化にふみきりました。

「ハードテイル」の語源ですが正直よくわかりません。

そもそも「ストラトキャスター」の語源すら知りません。高校時代に図書館で調べたりしましたがよくわからずユニークな商品名と言う事で納得させていました。今回も「ハードテイル」について調べてみましたがあまり納得できる情報はありませんでした。唯一魚の名前で「大西洋に生息するスズキ目アジ科ギンガメアジ属の魚」と言うのがありましたが何でギンガメアジなのかわかりません。

3.トレモロユニットを除去する

下調べはこの位にして (;^_^A

まず最初に現在普通に演奏している状態で1弦と6弦の弦長(ナットからブリッジ間)を測ってキチンとメモしておきます。
フロイトローズトレモロユニットのスプリングを外して埋め込んである2本のアンカーボルトを外します。
フロイトローズでなく標準のトレモロユニットの場合は6本のねじを外します。

その際アンカーボルトについている高さ調整ねじを緩めて、「くぎ抜き」(バール)がちょうど引っかかる程度まで上げてから薄い木材を土台にして「くぎ抜き」でクイッと引き上げるとそこそこ簡単に抜くことができます。その後の加工の事も考えて、ピックガードを外してその後ピッアップアセンブリ、ネックも交換予定だったので外しました。もちろんハードテイル化のみの場合これは不要です。

 トレモロユニットを外した

 ダボでポストの穴埋めも

4.アンカーボルトの穴埋めをします

フロイトローズトレモロユニットの2本のアンカーボルトを外した後は大きな穴が開いてしまいますから「ダボ」と言う木工用の一種のくぎを打ち込んで穴を塞ぎます。接着剤を使いますから余分なところはマスキングテープで養生しておきます。

私の場合、穴の直径をノギスで測ったところΦ8でしたので
「8X30の木製ダボ」をホームセンターで購入しました。
長さはこれもノギスのデプスの方で測ったところ22mmでした。

フロイトローズでなく標準のトレモロユニットの場合は6本のねじを外した後は「つまようじ」それが細ければ「焼き鳥のくし」を打ち込みます。

いずれも近くのお店でほとんど販売されていない「タイトボンド」を塗った後打ち込んでください。もちろん本物のニカワでもいいですが...。

「タイトボンド」は硬化するとニカワっぽく固まりますので、
ギターメーカーでもニカワに代えて使用しているそうです。

ボンドが乾いたら薄めのノコギリでぎりぎりをカットして終了です。また、サンドペーパーで軽くバリをならせば更に完璧です。

 外したアンカーボルト

 面にそってノコで切る

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5.トレモロスペースを木片で埋める

単に「トレモロレス」にするのであればトレモロブロックの後ろに木片をキツキツに打ち込めばそれで終わりです。更に現在はフロイトローズの2点留めなのでオリジナルのシンクロナイズドと比べると留まり方が心もとない。せっかくハードテイル化するのだから裏からトレモロスペースを埋める木片をしっかり打ち込む方式にしました。

これが音や弾き具合にどう影響するか楽しみです。

最初にトレモロブロックが格納されていたスペースをきちんと計ります。

一口にストラトキャスターと言っても製造メーカーや製造時期によって微妙に規格が変わることがあります。そこそこの精度で測るために、私の場合内径などが計りやすいデジタルノギスを使って測定しました。これは工業用の小数点第2位まで計測できるものです。一家に1丁あると便利です。形状は基本的に角丸の四角形でトップにあたるところは段付きで小楕円になっています。縦横プラス仕上げ代を2~3mm程度とって木片を切り出します。
このストラトの場合下図の程度の木片があればOKでした。

5-1.木片の材質選び

材質はあまりフカフカなもの(バルサ・桐など)では後でブリッジ部分をねじ止めする際効かないと困りますからそこそこ硬い材を使用します。桜・けやきなど広葉樹が木目も詰まっていいと思います。ホームセンターなどで実際に木目を見て「柾目の無い材」ならOKだと思います。少々もろいですがラワン材(マホガニー)でもいいです。もちろんタモ(アッシュ)材やハンの木(アルダー)があればオリジナルに近い材質となりますからベストです。

 柾目はネジ止めで割れ易い

 硬質広葉樹材が良い

5-2.木片を加工する

のこぎりで切り出した材の4つ角をノコギリ・ノミ・かんな・ベルトサンダー(サンドペーパー)などを使って落としていきます。
近似寸法に近づいて来たら。トレモロスペースの穴にあててみて微調整しながら削っていきます。
最後のあと少しはサンドペーパーで手削りしながらサクッと入るまで調整します。

気をつける事として、あんまりキツキツだとボディーに打ち込んだ際、2ピースボディーの場合ですが中央に接着部があってパカッと半分に割れたり、クラックが入ったりする恐れがあります。流石にパカッは無いと思いますが...。

もし小さめになってしまったらすき間をタイトボンドと木粉を練ったもので補完する方法もありますから適度なキツキツさを心掛けて削っていきます。

木片の高さは高すぎるよりもちょっと低めが後々ボディーにはめ込んでからの削る労力がかからず良いと思います。

もちろんスプリングスペースも木片で埋めて、再塗装するようなハイレベルの方は面一にした方がいいかもしれません。そこまでやらないならプラスチックのバックプレートで隠れますから多少へこんでいた方がむしろ楽です。
トップ(ブリッジ面)にあたるところは段付きになっています。計測値を元に鉛筆などでケガいて加工してもいいですが、完ぺきにマッチングさせたい時は木片を裏側から打ち込んでおいて、おもて面から鉛筆などで楕円窓に沿ってケガいたら、その木片を抜いてから段付き部分をノコギリで切った後サンディングするのがベストです。

私は寸法を測ってそのままベルトサンダーで加工しましたが若干すき間があいてしまい「タイトボンド+木粉を練ったパテ?」のお世話になってしまいました。

あとちょっとのあたりは手作業で進めた方がいいです。

 ベルトサンダーは粗削りにとどめる

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 荒加工後の木片を置いてみた

5-3.木片を打ち込む

木片の仕上げが終わったら、打ち込まれる側のトレモロスペースの穴側面を見ます。

もしササクレなどがあれば軽く除去しておきます。
接着剤が垂れることも考えて裏穴の周囲もマスキングテープなどで養生しておきます。

あとはタイトボンドを木片の周囲とトップの段付き面にたっぷり目に塗ってから

木槌・ゴムハンマーでボディーに打ち込みます。

その時は木片がボディートップに突出しないように、またへこんだ状態にならないように慎重に打ち込みます。もしはみ出してしまったら表面からあて木をして面一になるようにハンマーで打って修正します。
もし、ボディートップ・裏面に木片とのすき間が目立つようなら「タイトボンドと木粉を練ったもの」(木粉はベルトサンダー作業時に出たものを使用)をパテの様に塗り込んで端正にします。乾くとカチカチになり、若干痩せますのでほんの気持ち盛ります。盛りすぎても乾いた後でサンディングブロックを付けたサンドペーパーでシコシコ削ればきれいになります。

私はここでいきなりベルトサンダーで一気に修正しようとしたため悲惨な傷がついてしまいました。下手なのもある (;^_^A

あとちょっとの加工は手作業がベストですネ
レリックぽくクリアで塗装してもよかったのですが若干不自然さを感じたため、薄く白のポリウレタンスプレーで塗色しました。

 タイトボンド+木粉のパテ

 一気に削った結果

 軽くスプレーで塗色しました

 黒い所はシールドペイント

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6.ブリッジをセットする位置を決める

まず、弦を通す穴とブリッジそのものを留める穴の位置を決めます。
ブリッジの1絃側と6弦側に不要になったプレーン絃(又は水糸)をつないでその2本をペグ側にもつなぎます。
(この時「弦のリング」がブリッジ裏に飛び出さないように工夫します)

 ブリッジ底面には飛び出していない

トレモロを外す前に測っておいたナットからブリッジの長さに合うようにペグを調整します。
(ピンピンに張る必要はありません)
指板の両サイドと弦の間隔が適切になるようにブリッジ位置を合わせます。

 弦長と弦位置を確認

6.ブリッジをセットする

ボディートップの適切な位置にブリッジを置いたら

弦通しの穴とブリッジ取り付けスクリューの穴あけ位置のケガキ

をして

穴あけ・ねじどめします。

私の場合最初ブリッジエンドに弦止めがあるタイプのブリッジが見つからなかったので、次の様に2種類の加工パターンをやりました。

論外にパターン2が加工も弦交換も楽ですのでパターン2がお勧めです。

 パターン1

パターン1 (ブリッジエンドに弦止めが無いタイプのブリッジを買った場合)
本来のハードテイルの様にボディー裏から弦を通すやり方です。
イ.ブリッジの弦が通る穴の中心にシャーペンシルなどで印をつけます。
ロ.ブリッジ本体を留める木ねじの穴の位置にも印をつけておきます。
ハ.ボディーを貫通する弦を通すための細長い穴を垂直に空ける。
ニ.ボディー裏からストリングブッシュを入れるためのザグリ穴Φ8深8を空けてブッシュを打ち込む。
この中で
一番大変なのが弦が通る6本の長穴を均等に空けるというところです。
私はΦ5の鉄鋼ドリルでボディートップから慎重に穴あけしたつもりでしたが
裏から見ると情けない配置の穴になってしまいました。
かなり剛性のあるラジアルボール盤やNCフライス盤等で木工ドリルを使って行えばきちんとした配置になったかもしれませんでしたが残念です。まあスプリングカバーのおかげで目立ちませんがテレキャスのようなオリジナルバージョンのハードテイル化にチャレンジする方は隠しようがありませんから注意が必要です。 あと手抜きでストリングブッシュを使用しないで弦を張ったところ、
弦のエンドリングが木材に食い込んでしまい弦交換の際とれなくて大変な思いをしました。
パターン1でやる場合ストリングブッシュは必須です。

 残念な穴あけ

 このブリッジはパターン1

サウンドハウスにリンクします↓
SCUD ( スカッド ) / T-105PC

 パターン2

パターン2 (ブリッジエンドに弦止めがあるタイプのブリッジを買った場合)

ブリッジエンドから弦を通すやり方です。これは本当に楽です。

イ.ブリッジ本体を留めるスクリューの穴の位置に印をつけておきます。

難しい長穴空けも、ザクリもストリングブッシュも不要です。

 このブリッジはパターン2

 ブリッジエンドから弦挿入

現在はパターン2で加工したハードテイルを使用しています。このゴールドパーツの色は24Kっぽい高級感のある色彩でメッキもきちんとしています。成金色が嫌いな方はシルバーもブラックもありますのでぜひチャレンジしてみてください。
感触としてはハードにチョーキングしても素直に反応してくれるところと、ピッキングして弦の反応がいい?感じです。

7.音はどうよ

実際の音については下記の自宅録音をご視聴ください。ただ指板がローズとメイプルなので当然違っていますし、9Vでんちで動作する自作アクティブ回路も付けております。

テンデ参考にならんじゃないかぁ!!
という向きもありましょうが..。 (;^_^A 

弾いた感じはトロモロ付と比べてカチッとタイトな感じです。スプリングがなくなったのとブリッジエンドからの弦入れの効果でしょうか。コードストロークではカチッと言う感じが更に現れます。コード弾きも録音しようと思いましたがソロ引きで十分違いは判ると勝手に判断して割愛しました。

録音環境
アンプ Masall JCM2000+1960 classic Gain トーンコントロールは全て10のセッティング
録音 ベリンガーXM8500 Mic+Komplete Audio 6+Cakewalk BandLaboで録音しました。

3台のストラトの音を録音しました。4台目はリアPUがハムバッキングなので除外しました。
それぞれ

ブリッジ側PU ⇒ ブリッジ側+センターPU
⇒ センターPU ⇒ センターPU+ネック側PU
⇒ ネック側PUの順で弾いています。

 今回のストラト

メープル指板+レースセンサー初期ゴールド+アクティブ回路

 ストラト2

ローズ指板スキャロップド+Fender USA yngwie Custum

 ストラト3

ローズ指板+FenderJPレースセンサー赤・銀・赤+アクティブ回路

今回使用した「アクティブ回路」の製作について別記事で投稿しましたので参考にしてください.....。

8.最後に

ひとつ忘れていたことがありました。ハードテイル化によってトレモロスプリングを外してしまったので、ギター弦にアース線がつながらなくなります。それでブリッジ下にアース線をはさみ込むことで同じ理屈になるようにしました。注意点としては配線材にあまり太い線を使うとブリッジをどれだけねじで締め付けても浮きぎみになってしまいます。スズメッキ線程度で十分ですが、通常の配線材を使用する場合は、

芯線がメッキされた細め(薄め)のものを使用してください。

配線ルートですが、私の場合弦通しの穴を空けてしまっていたのでその穴に貫通するように、ピックアップスペースからドリルで穴あけしてアース線を通しました。(写真のみどり線)
元々のアース線がトレモロスプリングの横まで来ていますから、それに線を継ぎ足してブリッジにと届くようにすれば良いと思います。打ち込んだ「木片」には、それ用の穴あけが必要となるかもしれません。

 アース線を通した

 アース線をはさむ

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