仕事だけの日常を忘れて、DIYを楽しみましょう。やってみれば今まで見えなかった事も見えてくる。何でもできるよね!dekiruyone.com

強力スチロールカッターをつくる

〇なんで強力スチロールカッターか

魚介類や家電など購入すると保温材・緩衝材として発泡スチロールが入ってきます。少量ならいいのですがそこそこの量になりますと処理が大変です。最初は手ノコやカッターナイフで切ったりしていましたが、ツブツブの粒子が静電気を帯びていろんなところに飛び散ってほんとストレスが溜まります。ハッコーのスチロールカッターもあるのですが、いざ使ってみると小さいのとパワー不足は否めません。ネットで自作記事はありますが時には定尺物(3×6尺)910mmX1820mmのスタイロフォームもきれいに切りたいというのがあって自分で作ることにしました。DIY好きな経験者なら材料さえそろえば30分位。未経験者でも1.5時間程度で作れると思いますからぜひ挑戦してみてください。

〇発泡スチロールなどの性質は

Wikipediaで調べると発泡スチロールはプラスチックの一種で98パーセントは空気だとあります。スタイロフォーム(商標名)は厳密にいうと製法がかなり異なるそうです。ホームセンターの店員さんに聞くと性質は全くの別物と言っていました。確かにスタイロフォームの方はツブツブのゴミが出ずしっかりしている感じです。環境ホルモンも出さず、燃焼しても水と炭酸ガスに分解され、ダイオキシン等は出さず自己消火性も有しているそうです。前者の融点(耐熱温度)は約90℃後者は255℃と結構差があります。なので高い方の温度以上に熱線を加熱できるように設計します。
所蔵のハッコースチロールカッターのスペックを見るとノーマルで170℃ターボモードで250℃という仕様ですのでスタイロフォームの切断には若干無理なように思います。

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1.スムーズに発泡スチロールを切るには

ストレスなく発泡スチロールを切るために必要とされる電熱線の温度は判りました。それに加えてスチロールが電熱線に接触して温度が低下することも考えると600-700℃位がいいのではないかと思います。ニクロム線の赤熱部分の温度が600-800℃らしいのでその位まで電流を流してやる必要があるようです。ただ普通の発泡スチロールの発火温度が495℃らしいので、発火するのも怖いです。ボリューム様の物で電流をコントロールできるものを使えば安全にカットできるのでは?と言う事で100V電源直付けでなくパワーコントローラーを探してつけることにしました。ニクロム線は経年劣化やスチロールを切るという強度的な面から0.5mm径の物を選びました。
ニクロム線の性質について調べました。
ニッケルとクロムの合金で耐熱、耐食性に優れ、電気抵抗率が大きい合金(だから発熱し易い)
使用温度は
Niが80~85%、Crが15%~20%のものは1150℃まで
Niが60~66%、Crが12~22%のもの(残部鉄)は1000℃が最高使用温度
融点(℃)1400℃
熱膨張係数(20℃-1000℃)14
という性質です。
ニクロム線の赤熱部分の温度が600程度が理想ですが、きちんとした温度管理を行うには「クローズドループ」で制御しなくてはならないのでセンサーなどが必要となります。例えば電気炊飯器などは釜の温度が適正温度になっているかどうかサーミスタなどの温度センサによって検知しそのデータを制御用マイクロコンピューターに送ってヒーターの駆動電流をコントロールしています。
でも、ちょっとしたカッターにそこまではやりませんよね。熱線の様子を見ながらボリュームでいい塩梅のところで止めて使えばいいじゃん!と言う事でパワーコントローラーを使うことにしました。

2.パワーコントローラー選び

身近に白熱電球の明るさを調整できる(トライアック)ものがあったので使用してみましたが、赤熱するところまで行かずいつものことながら惨敗。(200Wでは力不足。国産で1kwの物もありますが)それらしい物をア〇ゾンで物色していると200V用ながら4kwまでコントロールするコントローラーモジュールがあったので使ってみることにしました。中国本土からの発送で評価もそこそこですが部品を買って基板に取り付けてトランジスタにヒートシンクまで付けることを考えると楽で安い(その時は送料込みで¥485)と言う事でポチっとやって20日ほど(本土発送は早いが国内で何かをやっている。荷物追跡サービスで判明)で到着しました。
ただ説明書も何もないじゃん!いかにも大陸的です。が説明書も何も要りません。100V線の片側に直列に割り込ませるだけと言う事がポチっとやったところの商品説明書きに書いてありました。

 最初に付けたパワコン

 新規購入のパワコン

3.ニクロム線選び

前述のように0.5mmと言う強度的に強め?のニクロム線を調達しました。長さも5mあれば十分です。こちらもア〇ゾンでポチっとやって到着。

 直径0.5mmのニクロム線

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4.ニクロム線フック

ニクロム線をよじってスチロールカッター本体に取り付ける役目と電力を供給する役目を果たします。額縁などを壁に取り付けるときに使う金具です。近所のホームセンターに各種取り揃えてあります。三角タイプと楕円太径タイプの二種類を使いました。両端とも「楕円太径タイプ」でもいいです。何故かは読み進めていただけるとわかります。ステンレス製でも真鍮+メッキ製でもいいですが強度を考えると前者がいいでしょうか。

 三角と楕円のフック

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5.配線材はVVF

配線罪は電気抵抗の少ない発熱しにくいVVF( Vinyl insulated Vinyl sheathed Flat-type cable )家庭の屋内配線で使用されている物を使います。建築現場でも多く使用されている一般的な電線です。ホームセンターに行けば切り売りしてもらえます。余裕を見て2m(私は芯線1.6mmを)購入して灰色のシース(被覆)をカッターナイフで中の線を傷つけないように剥いて使いました。その際は灰色のシースを半分くらいカットすれば芯線を引っ張るとスルッと抜けてきます。

 VVFケーブルのシース剥ぎ

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 コンセントと玉子ラグ端子

 圧着工具又はペンチで圧着

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6.本体の概略図

スチロールカッター本体の概略図です。フレームの材料については重いですが合板を使った方がビス止めしたとき割れる心配がないのでお勧めします。比較的長尺物ですので板厚は15mmまたは18mm程度がいいのではないかと思います。私の場合単板の杉板を使いましたので軽いのですが、ビス止めで割れが入ってしまい補強のため瞬間接着剤のお世話になりました。ニクロム線が伸びたり縮んだりするのでかなり負荷がかかります。配線は白線がすぐにパワコンの端子に入り、もう一方の端子から白線で出ていき先端側のニクロム線フックにラグ端子経由で接続されています。黒線はパワコン下のニクロム線フックに配線します。途中配線がふらつかないように結束バンド(安易)で締め付けました。

 スチロールカッター概寸図

7.実際にカットしてみる

スチロールカッターを実際に使用してみました。パワコンのボリュームを時計方向に回していきます。200V用ですから目盛りの12時を過ぎたあたりからパワーが上がっていきます。予定通りニクロム線が赤熱状態になりましたが...。熱膨張のせいでピンと張っていたニクロム線がへにゃへにゃぶらんぶらんにゆるんで使い物になりません20mm以上は伸びているようです。そこで概寸図には表記がありませんが、テンショナー(ニクロム線引っ張り屋さん)を追加しました。ホームセンターで引っ張りばね(長さ150mm程度の中強度)を買ってきてフックを経由してギュッと引っ張っているようにしました。ニクロム線が赤熱し膨張してくると、このバネが弛みを除去する仕掛けです。また、ニクロム線フックの黒線側を「楕円太径タイプ」にしたのはここが「三角タイプ細径」だと膨張収縮を繰り返す際にニクロム線が切断し易くなってしまったためです。ほんとはパワコン側フックの代わりに「小型戸車」様の楽に熱線が伸縮できるものを考えていたのですがぴったりくるものが見つかりませんでした。これに関しては今後の課題ですね。これを使うようになって発泡スチロールごみの処理が楽になりました。あと定尺物のスタイロフォームを正確に切るときは材料の方を床に置きスチロールカッターを手でもって手近な木片をガイドにして、若干温度低めでやった方が正確に切れます(ニクロム線赤熱状態では材料に近づくだけで溶けてへこみます)。

実際使用している動画をyoutubeにアップしましたので参考にしてください。

きれいに切断できました。

冬場は床下通気口をこれで切断

したフォームで塞いでいます

8.その後の改善点と注意点

その後スチロールカッターを1か月程使っていない状態が続き、久々に使用してみることにしました。パワコンのボリュームを上げていくとニクロム線は赤熱するのですが、線のたるみが取れません。よく見るとテンショナーの下にあるフックが錆びついてニクロム線がスムーズにばねによって引っ張り上げられない状態になってしまっていました。もう少し熱を加えるとニクロム線が柔らかくなって張力がかかるかもと思いボリュームを上げていくと

温度の上がりすぎで「ボツン」という音とともに切れてしまいました。

やっぱり安定してニクロム線を引っ張っているキチンとした構造にしないとダメなんですね。

 フックを戸車滑車に変更

 戸車を調達する

以前から気になっていた重要な部分です。ちょっと大きめのホームセンターであれこれMyデジタルノギスを片手に適当なものを物色します。これが結構楽しいんです。建具・建材コーナーでアルミサッシ用の戸車を見つけました。下のアマゾン広告の紹介でもなかなかいいものが見つかりましたので参考にしてください。留意点としては電気をきちんと伝えてほしいのと耐熱性・耐食性のことも考えてオール金属(導電性があること)と言うのが大切です。あと大きすぎると大判サイズの切断に支障をきたしますし。あまりにも小さすぎると回転半径(ニクロム線の屈曲半径)が小さくなり以前のフックとあまり変わらない事になってしまいます。ここは今までの経験や勘で「7型」を使うことにしました。(;^_^A
ただ車輪がステンレスではなく真鍮ですので耐食性の点で心配ですが、7型で車輪がステンレスの物は見つかりませんでしたので今回はこれで行きます。ステンレスカバーの4つの爪をマイナスドライバーを差し込んで外します。内側のコマの不要部分を切り取ります。ここの切断のためだけになまっていた金切りばさみと鋼線ニッパーを新調しましたが、この薄さのステンレス板だと金切りばさみは先っぽを使わざるを得ないのでヘコヘコして刃が合わず苦労して何とか切断しました。期待していた鋼線ニッパーも先っちょを使うため少量ずつでないと力が加わらず、万能ばさみを使うのがベストだったかもしれないです。
穴あけ時にはセンターポンチを打って、3ミリのドリルで穴あけしました。各部を画像のように曲げて本体木部に取り付けます。私の場合単板を使ったのでまた割れないように2ミリのドリルで下穴をあけてから木ねじで固定しました。
実際に通電してみましたが以前のようにフックとニクロム線がこすれる「カリカリカリ」音は全く無くスムーズにテンションが掛かっているようです。

  穴あけ後こんな感じ

  きちんと90度に

  7型戸車

  外枠を外しました

  不要部分を切取る

  金切鋏と鋼線ニッパ

  不要部分を切取る

  ポンチを打って

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 ニクロム線の変更

ニクロム線は0.8ミリ25mの物をア〇ゾンから新規購入して使用してみました。鉄 - クロム - アルミニウムという組成の合金ワイヤーですが、以前の0.5mmで鉄 - クロム -ニッケルと比べるとニッケルの代わりにアルミニウムが使われています。実はこの組成のワイヤは「カンタル線」と言うもので「ニクロム線」の後に開発され、色々な特性が優秀な線です。最近では電子タバコの熱線に使用されている様です。最初のワイヤと比べると0.3mm直径が太くなっていますから電気抵抗もその分下がります。取り付けに関しては少々ごっついですが全く問題なしです。

最後に「パワーコントローラー」についてですが。

「使用後はボリュームつまみを「0」に戻して下さい」

適温に設定してコンセントを抜き、次回使用時にコンセントをつなぐというやり方は通用しません。過電流が流れて最悪「溶断」します。「ヒステリシス現象」とwebで検索してみてください。
同じく「パワーコントローラー」についてですが。ボリュームつまみ「0」でも回路全体にパワーが弱いながらも電気が来ています。試しに触ってみてください。ビリビリッと来ます。

「使わないときは必ず電源プラグを抜いてくださいね」

  新0.8mmのワイヤー

  変更後はこんな感じ

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 さらにその後

さらにその後ですが、戸車部分の回転が悪くなってきました。潤滑能力があり導電性もあってできるだけ切り口を汚さない。「コパスリップ」(コパは銅copperの意味)なる導電グリースを塗布しました。中身は珍しい茶金色のグリースが入っています。回転がスムーズになって通電時のスパーク等の不都合が緩和されました。

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